売上アップ

グラフで見る開業3か月の壁。売上が下がり始めた時、私が最初にやった1つのこと

開業3か月で訪れた最初の壁

「開業したら、お客様は自然と増えていく。」

開業前の私は、どこかでそう思っていました。

実際、開業当初の3か月は広告宣伝をほとんど行わなくても月商80万円ほどを売り上げることができました。

想像以上のスタートでした。

「このままいけば月商100万円も見えてくるかもしれない。」

そんな期待を抱いていたのを覚えています。

しかし、その後売上は少しずつ下がり始めました。

開店したばかりの珍しさが落ち着き、お客様の数も減っていきました。

当時の私は、正直かなり焦っていました。

「このまま売上が下がり続けたらどうしよう。」

「お客様はもう飽きてしまったのだろうか。」

「商品が良くないのだろうか。」

毎日の売上を見るたびに、不安になっていました。

でも今振り返ると、開業数か月後に売上が落ち着くこと自体は、決して珍しいことではありませんでした。

問題は、売上が下がることではありません。

売上が下がった時に、次の一手を打てるかどうか。

そこが、小さなお店が続いていくかどうかの分かれ道だったのだと思います。

この記事では、開業3か月で訪れた最初の壁と、その時に私が最初に取り組んだことについてお話しします。

開業直後の売上は「本来の実力」ではない

開業当初は、多くのお客様が興味を持って来店してくださいます。

近所の方。

知人や友人。

SNSを見てくださった方。

「新しくできたから行ってみよう。」

そう思って来てくださる方もいます。

いわゆる「オープニング需要」「開店特需」と呼ばれるものです。

もちろん、開業直後に来てくださるお客様は本当にありがたい存在です。

ただ、その勢いがずっと続くと思ってしまうと危険です。

開店直後の売上は、お店本来の実力というより、「新しくできたお店だから」という一時的な注目も含まれています。

私も当時は、それを十分に理解できていませんでした。

開業3か月で月商80万円ほどを売り上げられたことで、「このまま自然に伸びていくのではないか」と思ってしまったのです。

でも実際には、開店需要が落ち着いた後からが本当のスタートでした。

数字で見ても、開業後の経営は簡単ではない

小さなお店を始める時、夢や期待はとても大切です。

でも同時に、数字で現実を見ることも大切です。

2024年版 小規模企業白書(中小企業庁)

業種別に開業率・廃業率を見ると、「宿泊業,飲食サービス業」は開業率が最も高い一方で、廃業率も最も高い業種とされています。

参考:
2024年版 小規模企業白書|中小企業庁

 

2024年度新規開業実態調査(日本政策金融公庫)

新規開業者の現在の採算状況について、「黒字基調」は67.3%、「赤字基調」は32.7%とされています。

参考:
2024年度新規開業実態調査|日本政策金融公庫

つまり、飲食店や小さなお店に近い業種は、始める人も多い一方で、続けることも簡単ではない業種だということです。

また、日本政策金融公庫の調査結果を単純に見ると、開業した方のおよそ3人に1人は赤字基調で事業を続けていることになります。

ワンポイント解説|黒字基調・赤字基調とは?

黒字基調とは、事業全体として利益が出ている、または利益が出る状態に近づいていることを指します。

一方、赤字基調とは、売上よりも経費の方が多く、利益が出ていない状態です。

例えば、月商100万円のお店でも、家賃・人件費・材料費・光熱費などを合わせた経費が105万円かかっていれば、5万円の赤字になります。

反対に、月商150万円で経費が130万円に収まっていれば、20万円の黒字です。

つまり、月商が高いからといって、必ずしも儲かっているとは限りません。

小さなお店を続けていくうえで本当に大切なのは、売上を増やすことだけではなく、最終的にどれだけ利益が残るかを見ることです。

さらに同調査では、予想していた月商を十分に達成できていない事業者も一定数存在することが示されています。

開業前に思い描いていた売上と、実際の売上には差が出る。

これは決して特別なことではありません。

 

私自身も、開業後しばらくは赤字基調の時期が続きました。

開業当初の3か月は想像以上のスタートを切ることができましたが、その後は売上が落ち着き、利益が十分に残らない期間が続いていました。

今振り返ると、それは決して珍しいことではありませんでした。

むしろ、小さなお店が販路を増やし、お客様を増やし、利益を積み上げていく過程では、多くの方が経験することなのだと思います。

その時に初めて、

「お店を開けているだけでは売上は続かない」

という現実に向き合うことになったのです。

実際の売上推移(イメージ)

開業から売上推移グラフ

※実際の売上推移をもとに簡略化したイメージ図です。

このグラフを見ると、

「半年後に売上が下がっている」

ことが気になる方もいるかもしれません。

でも今振り返ると、この下落は決して失敗ではありませんでした。

むしろ、多くのお店が経験する自然な現象だったのだと思います。

開業直後は、「新しいお店だから行ってみよう」という需要があります。

しかし、その需要は永遠には続きません。

そこから先は、

・もう一度来てもらう

・誰かに紹介してもらう

・新しい販路を作る

という努力が必要になります。

私の場合、その最初の一歩がイベント出店でした。

売上が下がった時、最初に考えたこと

売上が下がり始めた時、私が最初に考えたのはとてもシンプルでした。

「もっと多くの人に知ってもらわなければいけない。」

ということです。

当時は、今ほど通販も整っていませんでした。

ブログもまだ十分ではありませんでした。

SNSも、売上を安定させるほどの力はありませんでした。

つまり、お客様が自然に来てくださらなくなると、そのまま売上が止まってしまう状態だったのです。

今思えば、これはかなり危ない状態でした。

お店の売上が一つの入口だけに依存している。

実店舗に来てもらえなければ売上が立たない。

新規のお客様との接点が少ない。

この状態のままでは、開店需要が落ち着いた後に売上が下がるのは当然だったのだと思います。

売上が下がること自体は失敗ではない

当時の私は、売上が下がることを「失敗」だと感じていました。

商品が悪いのだろうか。

価格が高いのだろうか。

お客様に飽きられてしまったのだろうか。

そんなことばかり考えていました。

もちろん、商品や価格を見直すことは大切です。

でも今振り返ると、問題はそこだけではありませんでした。

売上が下がること自体は、開業初期には起こり得ることです。

大切なのは、そこで何をするか。

売上が下がった時に、ただ不安になるだけなのか。

それとも、新しいお客様との接点を作りに行くのか。

この違いが、その後の成長を大きく分けるのだと思います。

私が最初に取り組んだのはイベント出店だった

売上が下がり始めた時、私が最初に取り組んだのはイベントや催事への出店でした。

理由は明確でした。

イベントなら、一度にたくさんの方に商品を知っていただくことができます。

実際に味を知っていただくこともできます。

お店の名前を覚えていただくこともできます。

そして、気に入っていただければ実店舗にも来てもらえるかもしれません。

当時の私にとって、イベント出店は新しいお客様と出会うための大切な入口でした。

イベントに出れば売れるわけではなかった

ただし、イベントに出れば必ず売れるわけではありません。

最初からうまくいったわけではありませんでした。

売れ残ることもありました。

準備に時間をかけたのに、思ったほど反応がない日もありました。

出店料や移動時間、準備の手間を考えると、「これで本当に意味があるのだろうか」と思うこともありました。

でも、一回一回の出店には必ず学びがありました。

どの商品が手に取られやすいのか。

どの価格帯が選ばれやすいのか。

どういう並べ方だと見やすいのか。

どんな言葉をかけると足を止めてもらえるのか。

どんなお客様が自分のお店の商品を選んでくださるのか。

実店舗だけでは見えなかったことが、イベントではたくさん見えてきました。

イベントは売上だけでなく「認知」を作る場所だった

イベント出店の目的は、その日の売上だけではありませんでした。

もちろん、その場で売れることも大切です。

でもそれ以上に大きかったのは、お店を知ってもらえることでした。

「あのイベントで買いました。」

「前に食べておいしかったので、お店にも来ました。」

そう言ってくださる方が少しずつ増えていきました。

イベントで出会ったお客様が実店舗へ来てくださる。

通販で注文してくださる。

誰かに紹介してくださる。

そうした小さなつながりが、少しずつ売上の土台になっていきました。

小さなお店は入口を複数持つことが大切

開業3か月で売上が下がった時、私が学んだ一番大きなことは、「入口を一つにしてはいけない」ということでした。

実店舗だけ。

SNSだけ。

紹介だけ。

イベントだけ。

どれか一つだけに頼ると、その入口が弱くなった時に売上も一気に弱くなります。

小さなお店ほど、複数の入口を持つことが大切です。

  • 実店舗
  • イベント
  • 通販
  • ブログ
  • SNS
  • メディア掲載
  • ギフト需要
  • 法人需要

一つひとつは小さくても、入口が増えるほど、お店は少しずつ安定していきます。

私の場合、その最初の入口がイベント出店でした。

開業3か月の壁は、お店を強くするきっかけになる

今振り返ると、開業3か月で売上が下がったことは、むしろ良かったのかもしれません。

もし最初から順調すぎたら、私は次の一手を打たなかったと思います。

イベントにも出なかったかもしれません。

通販も作らなかったかもしれません。

ブログも書かなかったかもしれません。

写真撮影も学ばなかったかもしれません。

売上が下がったからこそ、「このままではいけない」と思うことができました。

その危機感が、今のお店を作ってくれたのだと思います。

これから開業する人に伝えたいこと

これから小さなお店を始める方に伝えたいのは、開業直後の売上だけで一喜一憂しすぎないでほしいということです。

開業直後に売れることもあります。

逆に、思ったより売れないこともあります。

でも本当に大切なのは、その後です。

開店需要が落ち着いた後に、どうやって新しいお客様と出会うのか。

どうやってもう一度来てもらうのか。

どうやってお店の存在を知ってもらうのか。

そこを考え続けることが、小さなお店を続ける力になります。

売上が下がった時は、不安になります。

私もそうでした。

でも、その不安は次の行動に変えることができます。

開業3か月で訪れた最初の壁は、終わりではありませんでした。

むしろ、ここから本当のお店づくりが始まったのだと思います。

次回は、イベントで売れるために考えたことを書きます

イベントに出ることを決めても、最初からうまく売れたわけではありません。

商品の並べ方、声のかけ方、価格の見せ方、持っていく商品の選び方。

一つひとつ試行錯誤がありました。

次回は、「イベントに出れば売れるわけではない。小さなお店がイベントで売れるために考えたこと」について書いてみようと思います。

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